DX人材とは?5つの類型や育成方法、企業の課題、事例などを解説

こんにちは。請求業務をかんたんにするクラウドサービス「MakeLeaps(メイクリープス)」事務局です。DX人材とは、DX推進部門におけるデジタル技術やデータ活用に精通した人材のことを指します。企業内では、DX化の取り組みをリード、実行する人のことです。この記事では、DX人材の概要や不足している背景、求められるスキル、5つの類型について解説します。 

DX人材とは?必要なスキルと役割

DX人材とは、デジタルトランスフォーメーションを推進する役割を担う人のことです。ここではDX人材の定義や企業における重要性について解説します。 

DX人材の定義

DX人材に明確な定義はありません。広義としては、経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」で定められています。ガイドラインによると、DX人材とは、データ活用やデジタル技術に精通した人とされています。 ただしDX推進は、人材の確保だけでは不十分です。プロジェクトを進めるには、他のメンバーのDXへの正しい理解が不可欠です。 

企業におけるDX人材の重要性

そもそもDXは、企業競争力の飛躍的向上を目指す戦略です。これは単なる技術導入ではなく、事業モデルや組織文化の根本的変革を意味します。DXにより市場での優位性確立と持続的成長が可能になります。業務プロセス効率化と顧客体験向上が主な利点です。しかし、多くの企業が古い基幹システムとの統合の難しさにより、DXの障壁を抱えています。
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DX人材の不足とその背景

現在日本では、DX人材が不足しています。ではなぜDX人材が不足してしまうのか、その理由や背景を解説します。 

DX人材不足の現状と企業の課題

国際経営開発研究所(IMD)が発表した「世界のデジタル競争力ランキング2023」では、日本は63か国中32位でした。これは、過去最低ランクであり、DX人材の不足が深刻化していることの裏付けとなります。 国内におけるIT人材の不足やDX化に向けた課題が顕著となりました。さらに同データによると、この原因として「人材不足」と答える割合は、諸外国よりも多いこともわかっています。 

DX人材が不足する理由とその影響

2019年に情報処理推進機構(IPA)が発表した「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」でも、DX人材の不足が指摘されています。同アンケートに協力した企業のうち、約90%がDX人材の質と量、どちらも不足していると回答しました。 人材不足が続くと、日本企業は変化の激しいグローバル市場における競争で、優位性を築けません。DX化の本質は、事業変革にあります。そのため、ただデジタル技術が使えるだけでなく、マネジメントスキルや周囲を巻き込む力が必要です。技術者だけを求めてしまうことで、自社が求めるDX人材を得られず、不足している可能性があります。 

DX人材に求められるスキル

DX人材に求められるスキルは、デジタルリテラシーや業務知識、推進力です。それぞれの詳細を解説します。 

デジタルリテラシー

デジタル技術を活用できることはもちろん、高いリテラシーも必要です。これに加えて、デジタルの知識やスキルを、業務に活かせることも条件です。常に学習することを忘れず、最新のトレンドを把握することが求められます。 

業務知識

DX人材は、既存の業務のフロー・プロセスを理解していることが重要です。業務知識があるからこそ、より詳細に課題を把握できると考えられるためです。DX人材として望ましいのは、すでに業務知識がある人です。現状業務知識が乏しい場合でも、今後十分なインプットを期待できる人材でもよいでしょう。 

推進力

DXの本質が事業の変革である以上、プロジェクトを推進する力が必要です。組織全体を見据えられる人材が適しています。社内だけに留まらず、ステークホルダーも巻き込んだマネジメントができるスキルが必要です。また、変革にはトラブルや失敗はつきものです。このような状況下でも、試行錯誤を繰り返すことのできる人材が求められます。 

DX人材の5つの類型

DX人材には、5つの類型があります。また、各類型にも複数の分類があり、役割に違いがあります。それぞれの類型や分類別の役割を解説します。 

デザイナー

デザイナーの役割はDX推進において重要です。デザイナーは主に以下の3つに分類され、それぞれ役割が異なります。 ・サービスデザイナー・UX/UIデザイナー・グラフィックデザイナー サービスデザイナーの役割は、社会や顧客の課題・ニーズを理解し、製品・サービスのコンセプトを策定することです。UX/UIデザイナーの役割は、顧客体験の設計や情報設計、機能、動き、外観のデザインを行うことです。ユーザーが使用しやすく、魅力的な体験を提供します。 グラフィックデザイナーの役割は、ブランドのビジュアルイメージを具体化することです。デジタルグラフィックやマーケティング媒体の統一感あるデザインによって、ブランド認知度や信頼感を向上します。 

ビジネスアーキテクト

ビジネスアーキテクトは、DX推進において目標の設定や関係者の調整を担当します。分類は主に以下の3つです。 ・新規事業開発・既存事業の高度化・社内業務の高度化・効率化 新規事業開発では、新事業や製品・サービスの目的設定と実現方法の策定、推進を行います。既存事業の高度化は、既存事業や製品・サービスの再定義と目的達成方法の設計、関係者調整と持続的なプロセスをリードする役割を担います。社内業務の高度化・効率化は、社内課題解決の目的設定と実現方法の設計、関係者の協調と業務効率化の推進をします。 

サイバーセキュリティ

DX推進に伴うリスク管理とビジネスの安定、信頼の確保をするのがサイバーセキュリティ担当者の務めです。サイバーセキュリティの職種には、以下の2つがあります。 ・サイバーセキュリティマネージャー・サイバーセキュリティエンジニア サイバーセキュリティマネージャーの役割は、デジタル活用に伴うリスクの管理です。サイバーセキュリティエンジニアの役割は、サイバーセキュリティリスク対策の導入・保守・運用です。安定的なビジネス運営への貢献が求めらるなかで、サイバーセキュリティは必須といえるでしょう。 

ソフトウェアエンジニア

ソフトウェアエンジニアは、以下4つに分けられます。 ・フロントエンドエンジニア・バックエンドエンジニア・クラウドエンジニア(SRE)・フィジカルコンピューティングエンジニア それぞれの役割は次の通りです。フロントエンドエンジニアの役割は、ユーザーが直接触れるインターフェースの機能を実現することです。使用しやすく、魅力的なデジタル体験を提供します。バックエンドエンジニアの役割は、システムの裏側で動作するサーバーサイドの機能を設計することです。安定的にデジタル技術を活用したサービスを提供します。 クラウドエンジニア(SRE)の役割は、ソフトウェアの開発、運用環境の最適化を行うことです。それにより信頼を獲得することで、継続的なサービス提供をサポートします。フィジカルコンピューティングエンジニアの役割は、物理的なデバイスをデジタル領域に統合することです。現実世界のデジタル化を推進し、ソフトウェア機能の実現に寄与します。 

データサイエンティスト

データサイエンティストは、DX推進においてデータを活用して業務変革や新規ビジネスを支援する専門家です。データサイエンティストは、主に以下の3つの職種に分類されます。 ・データビジネスストラテジスト・データサイエンスプロフェッショナル・データエンジニア データビジネスストラテジストの役割は、事業戦略に基づくデータ活用戦略の策定と具体化です。業務変革とビジネス創出をリードします。 データサイエンスプロフェッショナルの役割は、データの処理と解析を通じた顧客価値の拡大です。新しいビジネスモデルを生み出すための知見を導き出します。データエンジニアの役割は、効果的なデータ分析環境の設計、実装、運用です。また、ビジネス創出の実現や業務変革行う役割があります。 

企業がDX人材を獲得する方法

企業がDX人材を獲得する際は、いくつかのポイントがあります。それぞれの方法について解説します。 

採用したいターゲットを明確にする

採用活動を始める前に自社の課題を洗い出し、明確化します。DX人材に求める役割や必要なスキル、ノウハウを明確にするためです。また、採用後に任せたいポジションを決め、必要なスキルを特定します。 人材が入社した後、適性を評価する方法を確立します。求める人物像を具体化することで、採用後のミスマッチを防げるほか、選考プロセスがスムーズに進むようになるでしょう。 

自社をアピールする

DX人材の需要増加により、企業は魅力的な働き場所であることをアピールする必要があります。アピールすべき要素は以下の通りです。 ・自社の理念やビジョンの明確化・業務内容を通じたやりがいや成長機会の提供・快適な働く環境の提供・報酬制度や待遇面の明示 求職者を動機付ける要素を可視化し、企業の魅力を明確に示すことが重要です。面接時に求職者の動機をヒアリングし、企業選びのヒントを得ることも有効です。DX人材の採用は競争が激しいため、「攻め」の姿勢で積極的にアプローチすることが勧められます。 

DX人材の育成の方法

DX人材の獲得は、採用して終了ではありません。その後の育成が最も重要であり、育成次第では人材の「質」が不足している状況を解消できません。 

社内外のネットワークを構築

新しい技術やサービスが急速に登場している現在、必要な情報を得るためには、社内外にネットワークを作ることが重要です。社外コミュニティに参加することで、最新の技術やサービスの紹介、事例の情報交換が可能です。 

マインドセットを学ぶ

座学においては、ハンズオン講座や社外講師による講演が効果的です。ハンズオン講座は、テクノロジースキルの習得に特に効果的であり、ビッグデータの操作を通じて具体的な技術活用のイメージを深めることができます。 DXはチームで推進されるため、座学ではリーダーシップの育成が重要です。社外講師による講演は、成功したDX推進のマインドセットを当事者目線で学ぶことができ、リアリティを持った学びが可能です。 

OJT

OJT(On the Job Training)は、座学で学んだスキルやマインドセットを実務で生かすための訓練方法です。社内に限定した小規模なプロジェクトを通じて、活用力や実行力を身につけることが目的です。OJTの業務指導フローは、以下の通りです。 ・Show(手本を見せる)・Tell(説明する)・Do(やらせてみる)・Check(評価・指導) Show(手本を見せる)は、実演やデモンストレーションを通じて示します。Tell(説明する)では、理論や手順を説明します。Do(やらせてみる)では受講生に、実際に行ってもらいます。Check(評価・指導)では成果を評価し、フィードバックを行います。 OJTは仕事のスキル習得だけでなく、DX人材としての育成目標を明確にし、それに向けて評価と指導を行うことが重要です。座学とOJTの組み合わせがDX人材の育成には不可欠です。 

DX人材の活用事例

最後に、DX人材の活用事例を解説します。他企業がそのようにしてDX人材を獲得したのか、この章を参考にしてください。 

企業におけるDX人材活用成功事例

凸版印刷株式会社は、1900年に創業されました。2017年にDX事業推進を全社方針とし、「デジタルビジネスセンター」を設立し、2018年には「DXデザイン事業部」を設立し、約1,400人の規模でDX関連の実ビジネスを推進しました。 DXデザイン事業部は、IT開発、運用、商品・サービスの企画を担当し、既存事業との連携を強化しました。人材育成では、リスキリングとITリテラシー向上に力を入れ、企画系人材にはOJTを通じて行ったそうです。実務経験の提供を行い、ビジネススキルの向上を図り、新規事業に取り組むメンバーにはビジネスゴールを明確にする教育を実施したそうです。 

先行企業のDX人材戦略と成功要因

株式会社IHIは、重工業メーカーからデータ活用を核とした新しいビジネスモデルへの転換を進めている企業です。2022年度を最終年度とする中期経営計画「プロジェクトChange」では、「ライフサイクルビジネス(LCB)」に焦点を当てた提案型ソリューションビジネスにシフトしています。 変革を支える主要な要素は、全社共通のIoTプラットフォーム「ILIPS」と、顧客情報を一元管理・分析する「CSD(カスタマーサクセスダッシュボード)」です。営業・サービス・技術・製造の連携により、顧客に寄り添ったサービス提供を実現しています。 IHIはDXリテラシー向上と意識改革を目的に、全社的なDXの啓蒙活動を行っています。各部門にDXリーダーを配置し、各層に応じた研修を通じて具体的な成果創出を目指しているそうです。各事業部門には、現場でDX推進をリードする「DXリーダー」が配置されているのも特徴です。 

まとめ

事業変革を進めるDX人材の獲得は、グローバル市場を始めとした変動の激しい状況下では急務です。自社にとって「本当に必要なDX人材」とは何かを明確化し、人材の獲得に務めましょう。 具体的に何から始めればよいか悩んでいる採用担当者は、クラウド型請求管理サービス「MakeLeaps(メイクリープス)」がおすすめです。見積書から請求書までクラウド上で作成共有でき、請求日から入金予定日まで可視化できます。作成した書類は、ワンクリックで印刷・封入・投函まで完了します。 推測機能で入金消込を効率化できるうえ、書類は全てクラウド上で管理できます。最新情報を全部署が確認できて、連携も容易です。気になる人は、以下の詳細をご覧ください。 無料トライアル申込
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